『香乱記』宮城谷昌光

項羽と劉邦の戦いの時の斉の田横の話。


作者が好きな人物について書いてしまうと駄目になってしまう典型的な例だったな。
登場人物の口を借りて田横が如何に素晴らしい人物か語るんだけど、あまりにも・・・。
実在の人物についての話なんだけど、結局その人となりは誰かが書いたものから推測するしかないんだよね。
その捉え方によって人それぞれの認識があるから、評価が違うのは当然なんだけど、ちょっと盲目的過ぎて小説としてはおもろくなかった。
題材としては悪くないんだけどね。


しかし、やっぱ小説の主人公としては項羽劉邦の方がおもろいね。
人間的に欠点があるからこそ、魅力があると言える。
項羽は20万人を坑(あなうめ)したとかめちゃくちゃだけどね。